生産品番の流し方 後編(初級編 第38回)

03 初級編

どーも、げーちゃんです。

本日のテーマは「生産品番の流し方」です。

第6~22回は、企画書の中身を丁寧に説明してきました。

第23回以降は、企画書を元に生産準備する4Mについて詳しく説明したいと思います。

生産準備の起点(初級編 第3回)にて、製造図面と生産計画が生産準備の起点の情報であると説明しました。

特に、Method(方法)の生産品番の流し方に関して詳しく説明したいと思います。

少し長くなるので、前編、後編の2部構成で、今回は後編です。

この記事で学べる事

・生産準備におけるMethodの考え方
・生産品番の流し方(品番切替)

製造図面が4M情報に分解される図

前回の復習

生産準備とMethodのポイント

生産ラインを構築する上で重要な5項目に関して、説明していきたいと思います。

今回は、青ハッチ部を説明します。

No分類内容
1生産ライン方式①
:作業分割
ライン生産方式、
セル生産方式
2生産ライン方式②
:サイクルタイム管理
コンベア生産方式、
工程固定生産方式
3生産品番の流し方①
:多品種対応
混流生産ライン、
専用生産ライン
4生産品番の流し方②
:品番切替
大ロット生産、
小ロット生産
5生産ラインの工程種類受入工程、加工工程、
組立工程、検査工程、
出荷工程

生産品番の流し方② 品番切替

混流生産ラインの場合、生産する製品を切り替えるロット数を判断する必要があります。

大ロット生産、小ロット生産か考え方が異なります。

明確に何ロットより多くければ、大ロット、小ロットという基準はありませんが、概念として把握してください。

ロットとは、同じ条件で作られた製品を纏めた「ひとまとまり」の単位です。

専用生産ラインと混流生産ラインの比較

今回は、青ハッチ部を説明します。

分類専用生産ライン混流生産ライン
品種1品種
(或いは、1製品群)
多品種
(或いは、複数の製品群)
ロット大ロット大ロット~中ロット
ボトルネック発見し易い
(固定)
発見し難い
(品種で変動)
ラインバランス容易難しい
作業習熟早いやや遅い
設備費安価やや高価
段取り替え
(品種の切替え)
なしない or ある
(品番切替方法による)

生産品番の流し方の考え方

段取り替え

段取り替えとは、生産している品種(品番)を変更する際に発生する作業のことです。

具体的には、製品を固定するワーク台、設備、加工条件、手順書等を入替です。

極めて類似の品種(品番)の場合、品種を変更しても段取り替えが発生しない場合もあります。

品種品番を変えるということですから、1品種の専用生産ラインではなく、多品種の混流生産ラインで発生する事象です。

どのようにな順番で品種を生産するか(差立)で段取り替えの規模や回数が大きく変わります。

これらの点も踏まえて、深堀していきたいと思います。

混流生産ラインとロットサイズ

混流生産ラインでのロットサイズ(大ロット、小ロット)での特徴を下表で纏めました。

 大ロットというのは、同じ生産量でも同じ品種を纏めて生産する流し方です。
(イメージ:品番A⇒A⇒A⇒A⇒A、品番B⇒B⇒B⇒B⇒B⇒B、・・・・)

 小ロットというのは、同じ生産量でも異なる品種で分散して生産する流し方です。
(イメージ:品番A⇒B⇒C⇒D⇒E⇒A⇒B⇒C⇒D⇒E・・・・)

分類大ロット小ロット
Q:品質〇:安定し易い△:条件切替えミスのリスク
C:段取り替え〇:少ない△:多い(段取り時間少なら〇)
C:ラインバランス〇:容易△:難しい(流し方が肝)
D:在庫△:需要の柔軟性低〇:需要の柔軟性高
D:リードタイム
(受注~出荷の時間)
△:生産迄の期間が長い〇:生産迄の期間が短い

全体的な特徴

まず、個々の特徴上げる前に全体的な特徴を説明します。

 大ロットは、工場のQ(品質)&C(コスト)の項目が高評価ですよね。

 小ロットは、企業D(納期)に項目が高評価ですよね。

実は、本質的にトヨタ生産方式は大ロット⇒小ロットの流れを作っています。

この凄いところは、「コンセプト」として目先の工場のやり易さ(効率、品質)よりも、企業としての全体最適を優先しているという点です。

そして「実行面」で小ロットの△の評価ついている項目を本気の改善で〇へと変えるというのを愚直に実行しているということが、非常に素晴らしい点なんですね。ここが肝です。

トヨタ生産方式を真似る企業は多いですが、結局、内は特殊だからと辞めていくのです。

コンセプトに惹かれるも、実行面で△⇒〇に変えるための努力がやりきれないのです。
(部活の弱小校が強くなるために強豪校と同じ練習しようとしてもできないように)

これが少し寂しい現実です。

個々の特徴

次に、個々の特徴について触れていきたいと思います。

第一に、品質についてですが、段取り替えという「変化点」を与えない分、大ロットの方が品質的に有利です。

一方、小ロットも品種(品番)間のポカヨケが完全にできていて、条件出しが不要、或いは条件出しの精度100%ならデメリットになりません。

これを目指して、日々改善しています。

用語

ポカヨケとは、作業でのミス防止の仕組みや機構のこと
条件出しとは、最適な操作条件を設定し、品質を安定させるためのプロセス

第二に、段取り替えについてですが、段取り替えが少ない大ロットの方が有利です。

一方、小ロットも品種(品番)間の段取り替え限りなく0にできれば、デメリットになりません。

この手の改善は、結構あるある改善です。

第三に、ラインバランスに関しては、少し複雑です。

基本的に大ロットの方がシンプル、かつ、ラインバランスを取りやすいのですが、小ロットの方がいい場合があります。

例えば、下グラフをみてください。大ロットで品種(品番)を流すとラインバランスが悪く、凸凹しています。

製品A、製品Bのサイクルタイムのグラフ(工程A~E)、ラインバランスが悪い

ところが、製品Aと製品Bをセットで流すようにサイクルタイムを100秒にしたらどうでしょうか。

 小ロットの流し方イメージ①:品番AB⇒AB⇒AB⇒AB⇒AB⇒AB⇒・・・

 小ロットの流し方イメージ②:品番A⇒B⇒A⇒B⇒A⇒B⇒A⇒B⇒・・・

理論上は、ラインバランス100%ですよね。

正直、ここまで露骨なことはありませんが、このような工夫をしつつラインバランスを整えるのは、混流生産ラインを立ち上げる際の常套手段です。

製品A、製品Bのサイクルタイムのグラフ(工程A~E)、ラインバランスが良い

第四に、在庫に関しては、タイムリーに生産できる小ロットが優勢です。

一方、大ロットは、ロットを纏めれば纏めるほど、在庫が増えます。

第五に、リードタイムに関しても、タイムリーに生産できる小ロットが優勢です。

一方、大ロットは必要な生産品種(生産品番)に追従させるまでの期間が長く、在庫としても長く眠るので、リードタイムは悪化します。

まとめ

今回は初級編の第38回で生産準備の観点でMethod(方法)に関して説明しました。

生産品番の流し方がしっかりと掴めたのではないかと思います。

生産技術の肝となる基礎知識なので、しっかりと抑えておいてくださいね。

今後も生産技術関連の知識を発信していきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。

げーちゃんでした。

  • 生産品番の流し方(品番切替)
  • 混流生産ラインとロットサイズの影響

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