生産品番の流し方 前編(初級編 第37回)

03 初級編

どーも、げーちゃんです。

本日のテーマは「生産品番の流し方」です。

第6~22回は、企画書の中身を丁寧に説明してきました。

第23回以降は、企画書を元に生産準備する4Mについて詳しく説明したいと思います。

生産準備の起点(初級編 第3回)にて、製造図面と生産計画が生産準備の起点の情報であると説明しました。

特に、Method(方法)の生産品番の流し方に関して詳しく説明したいと思います。

少し長くなるので、前編、後編の2部構成です。

この記事で学べる事

・生産準備におけるMethodの考え方
・生産品番の流し方(多品種対応)

製造図面が4M情報に分解される図

前回の復習

生産準備とMethodのポイント

生産ラインを構築する上で重要な5項目に関して、説明していきたいと思います。

今回は、青ハッチ部を説明します。

No分類内容
1生産ライン方式①
:作業分割
ライン生産方式、
セル生産方式
2生産ライン方式②
:サイクルタイム管理
コンベア生産方式、
工程固定生産方式
3生産品番の流し方①
:多品種対応
混流生産ライン、
専用生産ライン
4生産品番の流し方②
:品番切替
大ロット生産、
小ロット生産
5生産ラインの工程種類受入工程、加工工程、
組立工程、検査工程、
出荷工程

生産品番の流し方① 多品種対応

通常、一つの工場では、たくさんの品種の製品を生産します。

その中で、1つの生産ラインで複数製品を作るか、1つの生産ラインで一つの製品を作るかを判断する必要があります

 混流生産ラインとは、複数製品(或いは複数の製品群)を生産するラインです。

 専用生産ラインとは、一つの製品(或いは一つの製品群)を生産するラインです。

生産品番の流し方の考え方

多品種対応の背景

実は、多品種対応って、ここ50年位のトレンドなんすよね。

二次産業革命で大量生産の時代が終わり、多品種対応(=多品種少量生産)の時代が20世紀後半くらいからきます。

この辺の時代背景から簡単に説明します。

産業革命は、一次、二次、三次とありますが、本記事は下記の20世紀後半の部分です。

一次産業革命(約1760年代~1830年代)
:蒸気機関をエネルギーとした機械化による軽工業発展+工場制

二次産業革命(19世紀後半~20世紀初頭)
:石油&電力をエネルギーとした重化学工業発展+大量生産

三次産業革命(20世紀後半~現在)
:情報技術によるデジタル化&自働化

ちょっと意外かもしれませんが、二次産業革命の時は、フォードがイケイケです。

フォード生産方式という、大量生産の高生産性ラインで市場を席巻していました。

具体的は、「①4M標準化」、「②短サイクルタイムの分業化」、「③ベルトコンベア生産」です。

4M標準

 ①4M標準は、標準化です(同規格の部品や同じ工程・作業手順等)。

 ※参考:生産準備の帳票:標準 後編

短サイクルタイムの分業化

 ②短サイクルタイムの分業は、一人当たりの作業量を減らして誰でも同じ作業ができる仕組みです。

 ※参考:一次産業革命の時の分業は、「生産準備とMethod 生産ライン方式 前編

ベルトコンベア生産

③ベルトコンベア生産は、一つの製品を大量にベルトコンベア生産する仕組みです。

 ※参考:「生産準備とMethod 生産ライン方式 後編

こう考えると、フォードは、現代の生産システムの基礎に多大なる貢献をしてますよね。

三次産業革命が始まる20世紀後半から消費ニーズの加速し、色んなラインナップの製品が求められていきます。

この多様化したニーズに答えるために、多品種対応が必要でした(色んなラインナップの製品を生産すること)

この流れに乗ったのがトヨタ生産方式だったりします。

トヨタ生産方式というのは、多品種少量生産をいかに効率よくするかを時代のニーズに答えながら生まれたのです。

専用生産ライン

専用生産ラインとは、1品種、或いは、1製品群のみを生産する単機能の生産ラインです。

1製品群とは、品種によって各工程のサイクルタイム差がない製品の塊を指します。

混流生産ライン

混流生産ラインとは、多品種、或いは、複数の製品群を生産する多機能のラインです。

因みに、どんな製品群同士でも混流生産できるわけではありません。

加工工程や組立工程等の作業工程が類似性が高い場合のみ混流生産できます。

ここで誤解しないで頂きたいのが、必ずしも多品種を同時に生産しないということです。

本質は「多品種の生産ができる多機能な生産ライン」ということです。

専用生産ラインと混流生産ラインの比較

専用生産ラインと混流生産ラインを下表で比較しました。

専用生産ラインの特徴

まず、専用生産ラインに関してです。

生産する品種が1つのため、1つの生産ラインで生産するとなると、必然的に大ロット生産になります。

同じ製品しか生産しないので、品種による作業量の増減がないので、ボトルネック工程も一定で比較的ラインバランスを整え易いです。

結果的に、ラインバランス率が高くなり、作業者全員に均等な作業負荷がかかることで、作業習熟の早期化に繋がります。

設備費も1品種分を用意するだけでよく、段取り替え(品種の切替え)も当然ありません。

混流生産ラインの特徴

次に、混流生産ラインに関してです。

生産する品種が複数のため、1つの生産ラインで生産すると、専用の生産ラインよりは1品種あたりのロットが小さくなる傾向があります。

但し、1つの混流生産ライン自体のロットの大きさは、品種を寄せ集めることで中~大ロット化します。

多品種の製品を同時に生産する場合だと、品種による作業量の増減が工程毎で発生し、ボトルネック工程も変動しラインバランスを整えるのも難しいです。

結果的に、ラインバランス率が低くなりがちで、作業負担の不均衡から作業波に乗りにくく、作業習熟がやや遅くなります。

設備費も多品種分を用意する必要あり、多品種の製品を同時に生産する場合だと、段取り替え(品種の切替え)も発生し、ダウンタイムに繋がります。

比較

分類専用生産ライン混流生産ライン
品種1品種
(或いは、1製品群)
多品種
(或いは、複数の製品群)
ロット大ロット大ロット~中ロット
ボトルネック発見し易い
(固定)
発見し難い
(品種で変動)
ラインバランス容易難しい
作業習熟早いやや遅い
設備費安価やや高価
段取り替え
(品種の切替え)
なしない or ある
(品番切替方法による)

専用生産ラインと比べると、混流生産ラインってかなり難しそうですよね?

どこの業界でも混流生産ラインをいかに上手くするかが一つの課題です。

工程固定生産方式でしか生産できないような小さなロットの製品を寄せ集めて、コンベア生産方式の混流生産ラインで生産するというのが、あるあるの検討手順です。

1品種では小ロットの製品に対して、前回ご説明したようなサイクルタイム管理の恩恵を受けれるのが、この方法のメリットですね。

まとめ

今回は初級編の第37回で生産準備の観点でMethod(方法)に関して説明しました。

生産品番の流し方がしっかりと掴めたのではないかと思います。

生産技術の肝となる基礎知識なので、しっかりと抑えておいてくださいね。

今後も生産技術関連の知識を発信していきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。

げーちゃんでした。

  • 生産品番の流し方:多品種対応の考え方
  • 専用生産ラインと混流生産ラインの比較

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