生産準備の帳票:手順書(初級編 第28回)

03 初級編

どーも、げーちゃんです。

本日のテーマは「手順書」についてお話します。

第6~22回は、企画書の中身を丁寧に説明してきました。

第23回以降は、企画書を元に生産準備する4Mについて詳しく説明したいと思います。

今回は、生産準備で必要な4Mの帳票「手順書」について、纏めました。

この記事で学べる事

・手順書の考え方
・標準と手順書の違い

前回の復習

生産準備と帳票(初級編 24回)にて、ご説明した手順書に関して、紹介します。

また前回の手順書の部分の説明の引用です。

手順書は、作業の順番を書面化した帳票です

作業手順を明確にすることで、品質、効率に再現性を持たせることができます。

部門別の手順書

今回取り扱う手順書は、青ハッチのところです。

部署標準要件書手順書ポイント集チェックリスト
設計設計標準設計要件書設計手順書設計ポイント集設計チェックリスト
生技生技標準生技要件書生技手順書生技ポイント集生技チェックリスト
品保品質標準品質要件書品質手順書品質ポイント集品質チェックリスト
製造製造標準製造要件書製造手順書製造ポイント集製造チェックリスト

略記:生産技術→生技、品質保証→品保

標準と手順書の違い

一般的な「標準」という意味合いは、製造分野では「手順書(マニュアル)」という扱いです。

標準というのはスタンダード(基準、規定)、手順というのは、マニュアル(操作手順、作業手順)という意味合いが強いです。

もう少し深堀したいと思います。標準と手順書を下表のように比較しました。

本質的に標準や要件書を各業務別に落とし込んだ作業手順に統一化することです。

そして手順書の目的は、業務の品質&効率の安定化です。

作業手順を作らないと、いちいち全ての標準や要件書を探さないといけないので非効率、かつ、抜け漏れが出やすいです。

そのため、業務に合わせて、必要な標準の項目や要件書のエッセンスを織り込んだ作業手順化するわけです。

手順書は、基本的に各部門で作成&管理します。

要件書と同様に、自由度の高い帳票です。

分類標準手順書
特徴共通性が高い、憲法的なルール
(特にNGの場合のルールが厳格)
作業手順、重要ポイントを明確化
(標準、要件書を準拠)
重要度高(品質重視)高~低(品質+効率のバランス)
範囲・共通性の高い知識(製品で横断的)・専門性の高い知識(製品で特有)
強制力・確実に遵守する
・対応不可の場合、標準の改変必要
・各作業者にて遵守する
・対応不可の場合、自部門で協議
扱い・文章管理システムで登録
(ISOの監査:△)
・各部門で管理
(ISOの監査:×)

部門別の手順書の役割

ここでは、部門別の要件書の役割を記載します。

設計手順書とは

設計手順書とは、製造図面を作成する上での作業手順/操作手順をドキュメント化し、品質の安定化と効率化を図るための手順書です。

主に製品仕様と4M(材料)の位置づけで、図面精度を高めるために使われます。

具体的には、下記のような手順書があります。

分類手順書
システム操作CAD操作手順書
システム操作図面管理システムの操作手順書(PDM)
システム操作設計BOM・製造BOMの登録手順書(PLM)
業務手順図面作成の作業手順書(製品、部品)
業務手順図面DRの作業手順書
業務手順VA/VE検討会の手順書
業務手順新規部品、新製品の図面登録手順

品質手順書とは

品質手順書とは、品質の安定化を図るための手順書です。

ここでの品質は、基本的に製品品質です。

品質手順書は、検査手順だけでなく数多くあるので、参考に下表にまとめました。

分類手順書
検査手順書製品Aの検査手順書
検査手順書初品検査の手順書
検査手順書出荷検査の手順書
手直し/廃却手順書製品手直しの手順書
手直し/廃却手順書製品廃却の手順書
検査機器の点検手順書検査装置の点検手順
検査機器の点検手順書検査治具の点検手順
検査機器の点検手順書検査ゲージの点検手順
業務手順工場の品質監査の手順書
業務手順新製品の生産ラインの品質監査の手順書
業務手順新工程の工程監査の手順
業務手順QCサークルの運営手順書

初品検査とは、新製品の量産前の試作品が必要な場合、量産開始時の頭出しの量産品に対して、出荷前に品質確認を行うこと(基本的にフルチェックの重厚な検査)

生技手順書とは

生技手順書とは、工程設計の検討手順(生産ライン仕様、設備仕様、治工具仕様等)や生産準備の手順をドキュメント化し、品質の安定化と効率化を図るための手順書です。

大きくは、工程設計フェーズ(4Mを確立する)と生産準備フェーズ(4Mを準備&セットアップ)に分かれます。

基本的にそれぞれ、4M+計画+構想に対して、手順書を準備します。

少し多く読むのが大変ですが、これらの手順書がない or 脆弱だと、調整業務や不要な判断が増えるので逆に非効率です。

分類4M手順書
工程設計全般工程設計の準備計画の立て方
工程設計全般レイアウト設計の手順書
工程設計全般投資額算出の手順書
工程設計材料部品DRの手順書(生産性、品質目線)
工程設計材料検討用材料の発注手順書
工程設計生産ラインの必要人員算出手順
工程設計設備治具DRの手順書
工程設計設備設備DRの手順書
工程設計設備生産ラインの必要台数算出手順
工程設計工法工法検討の手順書
工程設計工法作業検討の手順書
工程設計工法作業手順書(生技版)
生産準備全般生産準備計画の立て方
生産準備全般生産ラインのセットアップ手順
生産準備材料生産ラインセットアップ用の材料発注手順書
生産準備作業教育の手順書(生技→製造)
生産準備設備装置/治具の発注手順書
生産準備設備装置/治具の搬入手順書
生産準備設備装置/治具のセットアップ手順書
生産準備工法工法整備の手順書(工程能力&サイクルタイム確認)

製造手順書とは

製造手順書とは、製造プロセスの手順や管理手順をドキュメント化し、品質の安定化と効率化を図るための手順書です。

基本的には、4Mの「人」の要素が大きいです。

「人を採用&教育して戦力化する機能」と「準備した4Mの管理機能」の大きく分けると2つです。

作業手順書は、生産技術にて初版を作成し、製造移管後に製造にて改定をかけていきます。

分類4M手順書
生産準備新人作業者の採用計画の立て方
生産準備新人作業者の採用手順書
生産準備新人作業者の教育計画の立て方
生産準備新人作業者の教育手順
生産ランプアップの手順
生産4M4M管理ボートの更新手順
生産4M異常発生時の対応手順
生産4M不具合発生時のエスカレーション
生産標準作業遵守の確認手順
生産欠勤時の対応手順
生産離職時の対応手順
生産工法作業手順書(製造版)

ランプアップとは、初めて生産を開始してから段階的に生産量を増加していくプロセスです。

自動車業界では、量産前に、HVPT(High Volume Production Trial)という本型・本工程のトライアルで生産量能力の確保(量確:MPT・・・Mass Production Trial)を行います。その後、生産量を確保した上での品質確認(品確:QCS・・・Quality Confirmation Stage)をします。最終的に問題なければ、L/O(Line Off)という生産ラインの本格稼働します。SOP(Start Of Production)とも呼びます。L/O後に本格的なランプアップし、目標の生産量へと出力を増やします。

まとめ

今回は初級編の第28回で生産準備の帳票(手順書)に関して説明しました。

手順書のレベルアップは、技術力アップに繋がるので手順書は積極的に整備、活用していきましょう。

今後も生産技術関連の知識を発信していきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。

げーちゃんでした。

  • 標準と手順書の違いは、「基準、規定」と「作業手順、操作手順」
  • 設計手順書とは、製造図面作成するため作業手順/操作手順
  • 品質手順書とは、品質の安定化を図るための手順書(検査等)
  • 生技手順書とは、工程設計の検討手順や生産準備の手順
  • 製造手順書とは、製造プロセスの手順や管理手順

ガイド記事はこちら

生産準備の帳票解説(初級編ガイド3)

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