どーも、げーちゃんです。
本日のテーマは「標準」についてお話します。
第6~22回は、企画書の中身を丁寧に説明してきました。
第23回以降は、企画書を元に生産準備する4Mについて詳しく説明したいと思います。
今回は、生産準備で必要な4Mの帳票「標準」について、2部作の前編で纏めました。
・業務標準と技術標準の考え方
・部門別の標準の役割と内容
前回の復習
生産準備と帳票(初級編 24回)にて、ご説明した標準に関して、紹介します。
また前回の標準の部分の説明の引用です。
①標準は、守るべき基準や条件を文書化した帳票です。
要件書と相違点は、製品群や部品を横断的に守るべき基準や条件を文書化した点です。
つまり、要件書よりも共通性が高い対象に対して、標準化される嫌いがあります。
もちろん、○○製品の限定標準等と設定される場合もありますが、コンセプトから言えば、個別の汎用性がない知見よりも、汎用性・共通性が高い知見に対して、設定される場合が多いかと思います。
部門別の標準
今回取り扱う標準は、青ハッチのところです。
| 部署 | 標準 | 要件書 | 手順書 | ポイント集 | チェックリスト |
| 設計 | 設計標準 | 設計要件書 | 設計手順書 | 設計ポイント集 | 設計チェックリスト |
| 生技 | 生技標準 | 生技要件書 | 生技手順書 | 生技ポイント集 | 生技チェックリスト |
| 品保 | 品質標準 | 品質要件書 | 品質手順書 | 品質ポイント集 | 品質チェックリスト |
| 製造 | 製造標準 | 製造要件書 | 製造手順書 | 製造ポイント集 | 製造チェックリスト |
4M別の標準
今回取り扱う標準は、青ハッチのところです。
| 4M | 標準 | リスト | 依頼書/仕様書/図面 | チェックリスト |
| 材料 | 材料標準 | 部品表 | 部品図面 | 図面DRチェックリスト |
| 方法 | 工法標準 作業標準 検査標準 | 工程表 工程FMEA QC工程表 | 生産ライン構想 | ライン立上チェックシート |
| 設備 | 設備標準 治具・治工具標準 | 治具・治工具リスト 設備リスト メンテナンスパーツリスト (治具/設備) | 治具・治工具依頼書 治具・治工具仕様書 治具・治工具図面 設備設計依頼書 設備仕様書 設備図面 | 治具DRチェックリスト 設備DRチェックリスト 治具日常点検リスト 設備日常点検リスト |
| 人 | トレーニング標準 | スキルマップ | トレーニング一覧 | トレーニングテスト・記録 |
| 製品 | 製品標準 | 製品一覧 | 製品図面 | 図面DRチェックリスト |
業務標準と技術標準
標準とは、大きく「業務標準」と「技術標準」の2種類があります。
これらの特徴について説明したいと思います。
業務標準とは
業務標準とは、業務手順や判断基準を纏めている標準です。
これだけ聞くと、とっても良さそうに聞こえますよね?
さも、この標準をみれば業務ができるみたいな。
実態から言えば、この標準は実務をする人にとって役に立たないことが多いです。
ここで実務担当者が使うような粒度の作業手順や判断基準は業務標準にはありません。
そういった点では、業務標準は実務者の業務を円滑に進められるように作られません。
正直、ISOのための、業務標準になってるからだと思います。
具体的には、ISO9001という品質マネジメントシステムを合格するために、ISOが求める要求事項が入ったマネジメントシステムとしての業務標準です。
結果的に、全体像&運用設計としての標準的な位置づけになっているというわけです。
なので管理職目線の標準です(管理職もISO監査や不具合発生時しか使いませんが・・・)。
そして業務標準自体はあまり更新されません。なぜでしょうか?
理由の1つは、具体的な内容は、技術標準や手順書へ織り込んでいるから
理由の2つは、ISOで藪蛇にならないように必要最低限している
自分もISOの内部監査を監査員したり、外部からの本審査の対応等もしていました。
ISOの監査を合格するため、ただでさえ多くの書類が必要です。
問題が指摘されていない業務標準を変えるのって怖くないですか?監査されるのに。
結果、組織変更等、明らかに更新必要な場合のみ最新化される標準となるわけです。
結論、主に実務者が扱うのは技術標準となります。
技術標準とは
技術標準とは、製品規格の品質を安定して達成するために4M等の守るべき基準や条件を文書化した帳票です。
「4M別の標準」は、基本的に技術標準です。
厳密にいれば、部門別の標準は、「業務標準」と「技術標準」に分かれます。
具体的にどんな標準の位置づけかをかを纏めます。
製品規格とは、製品の機能、性能、材質、寸法等を技術的に定めた情報。品質や安全性の目安。
部門別の標準の役割
ここでは、部門別の標準の役割を記載します。
設計標準とは
設計標準とは、設計プロセスや設計仕様を統一し、品質の安定化と効率化を図るためのルールやガイドラインです。
ここでの品質と効率化は、設計品質、製品品質、設計効率、設計以降の効率(工程設計、生産準備、製造)があります。
種類は、製品設計の標準、部品設計の標準、材料の標準があります
主に、製品と4Mの「材料」の位置づけです。
ここで非常に難しいのは、ガチガチに標準化して設計自由度がなくなると、新しいチャレンジが全くできなってしまいます。
ここが設計者として非常に苦しいところで、結局、過去の製品図面の焼き直ししかできなくなってしまいます。
生産技術のエンジニアとしては、過去実績のある条件をそろえて、安定した生産を実現したいところですが、実際はそうも言って入れません。
工程能力を確保できないような圧倒的に厳しい公差を受け入れる製造/品保にも怒られます。
ここが製品設計/部品設計 vs 生産技術 vs 製造/品保の対立構造が出来ます。
生産技術の部門間の板挟みとは、公差をめぐる対立構造と言っても過言ではありません。
品質標準とは
品質標準は、品質保証標準など、色々な呼び方があると思いますが、
品質標準は、品質の安定化を図るためのルールやガイドラインです。
ここでの品質は、製品品質です。
設計仕様(寸法、公差)等で、表現しきれない品質上の注意点を纏めます。
例1)部品Aと部品Bは、隣同士に置くと腐食するのでNGとか。
例2)公差上は±10でOKだが、もし公差から出ると発火するので、±5で管理必須等
ある意味では、設計でカバーしきれない品質上の要件を纏めているとも言えます。
品質標準では、汎用性の高いルールを扱い、品質要件書では、汎用性が低いが重要なルールを扱います(発生対策、流出対策の両方の視点です)。
加えて、検査標準も品質標準です。
部品の受入検査、製品検査、出荷検査等の検査の標準です。
具体的に製品ごとに検査手法の指定や検査設備・検査治具の指定など、多岐に及びます。
流出不良を防ぐための標準と言ってもいいです。
生技標準とは
生技標準とは、工程設計や生産準備のプロセスや設備仕様、治工具仕様等を統一し、品質の安定化と効率化を図るためのルールやガイドラインです。
加えて、既存の設備、治具/治工具の仕様、スペック、扱い方、管理方法が標準化されているドキュメントでもあります。
ここでの品質と効率化は、製品品質、工程設計、生産準備、製造、保守の効率があります。
種類は、工法標準、作業標準、設備標準、治具・治工具標準の標準があります。
主に、4Mの方法と設備の位置づけです。
生技標準のベースは、設計標準と品保標準です。
設計要求、品質要求を満たすために、方法&設備として手段をまとめた標準です。
製造標準とは
製造標準とは、製造プロセスの管理手法を統一し、品質の安定化と効率化を図るためのルールやガイドラインです。
ここでの品質と効率化は、製品品質、製造、保守の効率があります。
製造標準のベースは、設計標準、品保標準、生技標準です。
工法、作業、設備、治具・治工具、製品の製造現場の扱い方が標準されています。
主に、4Mの全ての現場管理の位置づけです。
特に、人に関しては、トレーニング、管理方法等が体系化されています。
まとめ
今回は初級編の第25回で生産準備の帳票(標準)に関して説明しました。
随分ボリュームが多くなってしまい、前編と後編の2回に分けることにしました。
今後も生産技術関連の知識を発信していきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
げーちゃんでした。
- 業務標準とは、業務手順や判断基準を纏めた標準(ISO向け、運用標準)
- 技術標準とは、製品規格を安定して達成するための4Mの基準や条件の標準
- 設計標準とは、設計プロセスや設計仕様を統一化するガイドライン
- 品質標準とは、品質の安定化を図るためのガイドライン
- 生技標準とは、工程設計や生産準備のプロセスを統一化するガイドライン
- 製造標準とは、製造プロセスの管理手法を統一化するガイドライン
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