どーも、げーちゃんです。
本日のテーマは「生産ラインの検査工程」です。
第6~22回は、企画書の中身を丁寧に説明してきました。
第23回以降は、企画書を元に生産準備する4Mについて詳しく説明したいと思います。
生産準備の起点(初級編 第3回)にて、製造図面と生産計画が生産準備の起点の情報であると説明しました。
特に、Method(方法)の生産ラインの検査工程に関して詳しく説明したいと思います。
今回は、分量が多いので、前編、後編の2部構成です。
・生産準備におけるMethodの考え方
・生産ラインの検査工程の知識

前回の復習
生産準備とMethodのポイント
生産ラインを構築する上で重要な5項目に関して、説明していきたいと思います。
今回は、青ハッチ部を説明します。
| No | 分類 | 内容 |
| 1 | 生産ライン方式① :作業分割 | ライン生産方式、 セル生産方式 |
| 2 | 生産ライン方式② :サイクルタイム管理 | コンベア生産方式、 工程固定生産方式 |
| 3 | 生産品番の流し方① :多品種対応 | 混流生産ライン、 専用生産ライン |
| 4 | 生産品番の流し方② :品番切替 | 大ロット生産、 小ロット生産 |
| 5 | 生産ラインの工程種類 | 受入工程、加工工程、 組立工程、検査工程、 出荷工程 |
生産ラインの工程種類
生産ラインには、大きくは5種類の工程があります。
受入工程、加工工程、組立工程、検査工程、出荷工程の5工程です。
検査工程とは
検査工程の役割は、製品品質を検査する工程です。
また検査工程は、「製品検査」の機能があります。
部署は、品保(品質保証)部門の管轄です。
この工程に関わる装置類は、生産技術部門が用意したりします。
| 分類 | Input | Process | Output |
| 製品検査 (品保) | 製品 | 製品検査 | 品質保証済の製品 |
検査工程の考え方
検査工程の種類
検査工程の種類は、大きく6種類のプロセスあります。
外観検査、寸法検査、トルク検査、リーク検査、電気検査、機能検査の6つがあります。
当然、例外はありますが、よく使う製造現場の検査の型として覚えて頂けると幸いです。
因みに、1つの工程で外観検査+寸法確認をすることもあります。
他にも、トルク検査+リーク検査+電気検査で1つの工程で検査する場合もあります。
ここから分かるのは、必ずしも検査種類=個別の検査工程ではないということです。
理由は、いくつもありますが、例を挙げると下記2つがあります。
理由1.製品特性上、纏めて検査した方が検査精度が上がる場合がある(品質視点)。
理由2.検査負荷が少ない場合、工程をまとめる(工程統合の)方が、ワークの取り外しや工程間移動が発生しない(効率視点、特に外観検査+寸法確認等)。
この辺を柔軟に考えて、検査工程の統合や分割をしています。
次に、これらをそれぞれ説明したいと思います。
| プロセス | 役割 | 具体的な検査項目 |
| 外観検査 (がいかんけんさ) | 製品の見た目に関する 不良を検出する工程 | ・キズ ・打痕(だこん) ・汚れ・油分 ・塗装ムラ ・部品の欠品 ・組付け忘れ |
| 寸法検査 | 製品の寸法・位置精度 の不良を検出する工程 | ・高さ寸法 ・幅寸法 ・穴位置 ・穴サイズ ・クリアランス(隙) ・平行度・直角度 |
| トルク検査 | 締結部(ていけつぶ)の 締付け品質を保証する工程 | ・締付トルク値 ・角度締めの角度 ・増し締め確認 |
| リーク検査 | 気密(きみつ)・水密(すいみつ) のリーク不良を検出する工程 | ・空気漏れ ・水漏れ ・負圧保持 |
| 電気検査 | 電装品・電子部品を含む製品の 電気的品質を保証する工程 | ・導通 ・絶縁抵抗 ・耐電圧 ・電流値・電圧値 |
| 機能検査 | 製品が仕様通りに動作 するか保証する最終工程 | ・動作確認(ON/OFF) ・回転・駆動確認 ・荷重・押し込み力 ・ストローク量 ・応答速度 ・音・振動 etc… |
外観検査
| プロセス | 役割 | 具体的な検査項目 |
| 外観検査 (がいかんけんさ) | 製品の見た目に関する 不良を検出する工程 | ・キズ ・打痕(だこん) ・汚れ・油分 ・塗装ムラ ・部品の欠品 ・組付け忘れ |
外観検査工程の役割は、製品の見た目に関する不良を検出することです。
| 分類 | Input | Process | Output |
| 外観検査 (がいかんけんさ) | 製品 | 外観検査 | 品質保証済の製品 (対象:見た目) |
具体的な検査項目を下記で纏めました。数が多いので、参考程度に抑えましょう。
まず、外観検査の基本は、目視検査(目でみて検査すること)です。
それに必要な拡大鏡、拡大亀田、照明などで、目視し易い環境を作ります。
次に、カメラ検査という技術があり、良品か、不良品かを自動判定する仕組みがあります。
これは、光学的な情報(画像)に対して、AIや基準画像との比較等で不具合判定します。
結構、条件がシビアだったり、便利な反面、難しさも満点な仕組みだったりします。
最後に、部品有無や篏合良否を判断するために、治具(じぐ)で検出する部品を支え、検出SW(スイッチ)で、電気的な信号で検出確認する方法です。
これも結構汎用な手法で、仕組みも簡単で安価に検出できます。
部品の有無はカメラ検査でもできますが、この手法しか篏合良否は判定できません。
カメラ検査に関しても、SWでの電気検出にしても、結局、トレースアビリティの関係で情報端末に履歴が残り、製品についたバーコードと紐付けされます。
このポイントは、本当に大事です。
トレースアビリティに残らない検査項目は、本質的に「検査補助」くらいの位置づけにならないです。
残念ですが、「検査した!検査記録もある!」だけでは、エビデンス(証拠)としては弱いのです。
だからこそ、外観カメラでは、不良の判定だけでなく、「画像も保存してエビデンス」とするわけです。
| 検査項目 | 説明 | 検出方法 |
| キズ | 製造工程の過程で製品や部品に 発生した傷を検出する | ・目視検査 (拡大鏡、拡大カメラ、照明) ・カメラ検査(自動判定) |
| 打痕 (だこん) | 製造工程の過程で製品や部品に 発生した打痕を検出する (打痕:打ち付けた傷・凹み) | ↑ |
| 汚れ・油分 | 製造工程の過程で製品や部品に 付着した汚れや油分等を検出する | ↑ |
| 塗装ムラ | 塗装工程での塗装のムラを検出 (外注品は、基本受入工程で検出) | ↑ |
| 部品の欠品 | 部品欠品を検出 (必要な部品が未取り付け) | ↑ +治具&検出SW |
| 組付け忘れ | 必要な部品の未結合・未篏合 または、半篏合を検出 | ↑ +治具&検出SW |
※未篏合(みかんごう)とは、嵌め合い(はめあい)ができていないこと
※半篏合(はんかんごう)とは、嵌め合い(はめあい)が不十分なこと
寸法検査
| プロセス | 役割 | 具体的な検査項目 |
| 寸法検査 | 製品の寸法・位置精度 の不良を検出する工程 | ・高さ寸法 ・幅寸法 ・穴位置 ・穴サイズ ・クリアランス(隙) ・平行度・直角度 |
寸法検査工程の役割は、製品の寸法・位置精度の不良を検出することです。
| 分類 | Input | Process | Output |
| 寸法検査 | 製品 | 寸法検査 | 品質保証済の製品 (対象:寸法) |
具体的な検査項目を下記で纏めました。数が多いので、参考程度に抑えましょう。
寸法検査の基本は、製品図面、又は加工図面上の寸法に対して、公差内に収まっているか検査するです。
基本は、製造図面です。
長さを図るのが基本で、ノギス、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、巻き尺/金尺(かなじゃく)を使います。
あまり聞き馴染みのないところでいいと、ゲージでしょうか。
ゲージとは、寸法や形状を測定する際に基準であり、測定のための計器です。
それぞれ目的にあった、専用ゲージが各企業持っていると思うので、ぜひ確認してみてください。
直接図ることのできない、平行度・直角度は、測定&計算で出すようなものもあります。
ちょっと特殊ですが・・・。
| 検査項目 | 説明 | 検出方法 |
| 高さ寸法 | 製品図面、又は加工図面上の寸法 に対して、公差内に収まっているか 検査する(対象:高さ)。 | ・ノギス ・マイクロメータ ・ダイヤルゲージ ・巻き尺/金尺 ・専用ゲージ |
| 幅寸法 | ↑+(対象:幅) | ↑ |
| 穴位置 | ↑+(対象:穴位置) | ↑ |
| 穴サイズ | ↑+(対象:穴サイズ) | ・専用ゲージ (Go/No-Go) |
| クリアランス(隙) | ↑+(対象:クリアランス) | ・専用ゲージ |
| 平行度・直角度 | ↑+(対象:平行度・直角度) | ・マイクロメータ ・ダイヤルゲージ ・直角定規+専用ゲージ |
トルク検査
| プロセス | 役割 | 具体的な検査項目 |
| トルク検査 | 締結部(ていけつぶ)の 締付け品質を保証する工程 | ・締付トルク値 ・角度締めの角度 ・増し締め確認 |
トルク検査の役割は、締結部(ていけつぶ)の締付け品質を保証することです。
| 分類 | Input | Process | Output |
| トルク検査 | 製品 | トルク検査 | 品質保証済の製品 (対象:トルク値) |
具体的な検査項目を下記で纏めました。数が多いので、参考程度に抑えましょう。
重要品質ポイント
第一に、トルク検査必要な箇所は、大体、重要品質ポイントです。
品質NGならリコールの可能性がでるくらいのレベルで。
そうでなければ、適当に強く締めろでいいはずなんです。
わざわざ、トルクを管理する必要があるというところがポイントです。
電気抵抗に関わる個所(発火する可能性がある)や締めが弱いと安全面で懸念がある個所(車でいうタイヤみたいなイメージ)とかです。
私的には、製品図面でトルク管理の指示があると、ちょっとげんなりします。
ああ・・・流出不良でたら一体どんな恐ろしいことになるんだろうと・・・。
製品設計部門にトルク管理の背景を確実に確認してください。悪いこといいませんから。
トルク管理の難しさ
第二に、トルク管理の難しさを少し触れます。
難しさの1つ目として、トルク値の管理だけで品質保証はできません。
例えば、初めのボルトのねじ山でかみ合わせが悪いと嵌ってないのないのにトルク値が出てしまします(少し斜めにトルクレンチやトルクドライバーを入れるとこの問題が発生します)。
全自働化したくなりますよね。
難しさの2つ目として、トルク値を検出すると状態が変わるという問題です。
トルク値を検査するには、トルク締めしないといけませんよね。
トルクよりも強い力をかけてトルク締めしボルトが動いたところがトルク値なわけです。
つまり、検査によって、トルク値上がってるよってことです。
状態が変わる検査って・・・。って問題です。過トルクのリスクが発生します。
このように結構トルク管理って難しんいんすよね。見た目より。
お金に余裕があるのであれば、しっかり投資して全自動(トルクアナライザ)の設備とかでやった方がいいです。
| 検査項目 | 説明 | 検出方法 |
| 締付トルク値 | 締め付けトルクを直接計測すること | トルクレンチ デジタルトルクドライバ トルクアナライザ |
| 角度締めの角度 | どれだけの角度(何回転分)したか を測定する | ↑ |
| 増し締め確認 | 増し締めする | トルクレンチ |
まとめ
今回は初級編の第43回で生産準備の観点でMethod(方法)に関して説明しました。
生産ラインの検査工程の全体像がしっかりと掴めたのではないかと思います。
少し専門的な知識ですが、概要だけでも抑えておいてくださいね。
今回は、外観検査、寸法検査、トルク検査に関して、説明しました。
別途、後編で残りの3つの検査(リーク検査、電気検査、機能検査)に関しても触れていきたいと思います。
今後も生産技術関連の知識を発信していきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
げーちゃんでした。
- 検査工程の種類と役割
⇒6種類
(外観検査、寸法検査、トルク検査、リーク検査、電気検査、機能検査)
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