生産ラインの検査工程 後編(初級編 第44回)

03 初級編

どーも、げーちゃんです。

本日のテーマは「生産ラインの検査工程」です。

第6~22回は、企画書の中身を丁寧に説明してきました。

第23回以降は、企画書を元に生産準備する4Mについて詳しく説明したいと思います。

生産準備の起点(初級編 第3回)にて、製造図面と生産計画が生産準備の起点の情報であると説明しました。

特に、Method(方法)の生産ラインの検査工程に関して詳しく説明したいと思います。

今回は、分量が多いので、前編、後編の2部構成です。

この記事で学べる事

・生産準備におけるMethodの考え方
・生産ラインの検査工程の知識

製造図面が4M情報に分解される図

前回の復習

生産準備とMethodのポイント

生産ラインを構築する上で重要な5項目に関して、説明していきたいと思います。

今回は、青ハッチ部を説明します。

No分類内容
1生産ライン方式①
:作業分割
ライン生産方式、
セル生産方式
2生産ライン方式②
:サイクルタイム管理
コンベア生産方式、
工程固定生産方式
3生産品番の流し方①
:多品種対応
混流生産ライン、
専用生産ライン
4生産品番の流し方②
:品番切替
大ロット生産、
小ロット生産
5生産ラインの工程種類受入工程、加工工程、
組立工程、検査工程、
出荷工程

生産ラインの工程種類

生産ラインには、大きくは5種類の工程があります。

受入工程、加工工程、組立工程、検査工程、出荷工程の5工程です。

検査工程とは

検査工程の役割は、製品品質を検査する工程です。

また検査工程は、「製品検査」の機能があります。

部署は、品保(品質保証)部門の管轄です。

この工程に関わる装置類は、生産技術部門が用意したりします。

分類InputProcessOutput
製品検査
(品保)
製品製品検査品質保証済の製品

検査工程の種類

検査工程の種類は、大きく6種類のプロセスあります。

外観検査、寸法検査、トルク検査、リーク検査、電気検査、機能検査の6つがあります。

当然、例外はありますが、よく使う製造現場の検査の型として覚えて頂けると幸いです。

本日は、リーク検査、電気検査、機能検査を説明します。

プロセス役割具体的な検査項目
外観検査
(がいかんけんさ)
製品の見た目に関する
不良を検出する工程
・キズ
・打痕(だこん)
・汚れ・油分
・塗装ムラ
・部品の欠品
・組付け忘れ
寸法検査製品の寸法・位置精度
の不良を検出する工程
・高さ寸法
・幅寸法
・穴位置
・穴サイズ
・クリアランス(隙)
・平行度・直角度
トルク検査締結部(ていけつぶ)の
締付け品質を保証する工程
・締付トルク値
・角度締めの角度
・増し締め確認
リーク検査気密(きみつ)・水密(すいみつ)の
リーク不良を検出する工程
・空気漏れ
・水漏れ
・負圧保持
電気検査電装品・電子部品を含む製品の
電気的品質を保証する工程
・導通
・絶縁抵抗
・耐電圧
・電流値・電圧値
機能検査製品が仕様通りに動作
するか保証する最終工程
・動作確認(ON/OFF)
・回転・駆動確認
・荷重・押し込み力
・ストローク量
・応答速度
・音・振動 etc…

検査工程の考え方

リーク検査

プロセス役割具体的な検査項目
リーク検査気密(きみつ)・
水密(すいみつ)の
リーク不良を検出する工程
・空気漏れ
・水漏れ
・負圧保持

リーク検査の役割は、気密・水密のリーク不良を検出することです。

分類InputProcessOutput
リーク検査製品リーク検査品質保証済の製品
(対象:リーク有無)

具体的な検査項目を下記で纏めました。数が多いので参考程度に抑えましょう。

正圧検査

基本的には、ワーク内部を加圧して、空気漏れが発生するかを検知します(正圧検査)。

検知の方法が、エアリークテスタの場合は、圧力センサを使って空気圧を測定し、

(1)空気圧が安定したらOK(空気漏れしていない)

(2)空気圧が下がったらNG(空気漏れしている)

検知の方法が、水槽(バルブテスト)の場合は、水槽にワークを入れて加圧し、

(1)泡が出なかったらOK(空気漏れしていない)

(2)泡が出なかったらNG(空気漏れしている)

特徴としてはエアリークテスタでも、空気漏れ、水漏れが発生しているかは分かりますが、場所までは特定できません。

一方、水槽(バルブテスト)は、泡の出る場所で空気漏れ、水漏れの場所は特定できますが、水浸しになりますので、かなり面倒です。

あと、空気漏れ検出も、水漏れを検出も、検出原理は空気漏れを検出します。

水漏れの場合は、どの程度が空気漏れしたら水漏れするという数字を設定して検査します。

負圧検査

次に負圧保持についてです。ワーク内部を減圧して保持できるかを検知します(負圧検査)。

負圧、減圧は、ワーク内部の空気を吸って大気圧よりも真空引きするってことです。

この方法のいいところは、加圧によるワークの変形するリスクを少なくできることです。

薄いゴム製品とか加圧すると破裂しそう・・・こんな心配は少ないです。

検査項目説明検出方法
空気漏れ空気漏れが発生するかを確認するテスト
(空気の加圧で漏れ検出)
・エアリークテスタ
・水槽(バブルテスト)
水漏れ水漏れが発生するかを確認するテスト
(空気の加圧で漏れ検出)
・エアリークテスタ
・水槽(バブルテスト)
負圧保持空気漏れが発生するかを確認するテスト
(空気の減圧が維持できるかで漏れ検出)
・エアリークテスタ

具体的には、リーク検査は「①加圧 → ②安定 → ③測定 → ④判定」の4ステップで構成されます。

考えるべきことは、各ステップでは、①どれだけ加圧(減圧)するか?②どれだけの時間で安定するか?③測定時間はどれくらい必要か?④良品基準はどうするべきか?です。

加圧の場合で例をあげると下記のようになります(数字はでたらめです)。

①加圧:20 kPa
②安定時間:3秒
③測定時間:5秒
④許容圧力低下:0.5 kPa以内

参考にして頂けるとよいかと思います。

電気検査

プロセス役割具体的な検査項目
電気検査電装品・電子部品を含む
製品の電気的品質を
保証する工程
・導通
・絶縁抵抗
・耐電圧
・電流値・電圧値

電気検査の役割は、電装品・電子部品を含む製品の電気的品質を保証するすること

分類InputProcessOutput
電気検査製品電気検査品質保証済の製品
(対象:通電性)

具体的な検査項目下記で纏めました。数が多いので参考程度に抑えましょう。

検査項目説明検出方法
導通配線等に電気が流れるかのテスト・導通治具+電源ユニット
+測定器
・テスタ
・導通チェッカー
絶縁抵抗漏電していないかのテスト・絶縁抵抗計
耐電圧
(たいでんあつ)
高電圧に耐えられるかのテスト・導通治具+耐電圧試験器
電流値・電圧値電気的な性能を確認する検査・導通治具+電源ユニット
+測定器
・電流センサ
・電圧計

導通検査

導通検査は、配線等に電気が流れるかのテストです。

小規模の場合は、テスタや導通チェッカーでも対応できますが、量産工程では正直あまりどこもしてないのでは?と思います(エビデンスも残せないので)。

基本的な構成としては、「電源ユニット → 導通治具 → 製品 → 電流モニタ → 判定」って感じに電源ユニットで作った電流が電流モニタで計測・判定されます。

実際は、導通治具という「ワークの通電部分と接合させる役割を持つ治具」を接続し、電源ユニットで通電させて確認するのが一般的ではないかと思います。(コントロールユニットの合格信号を検査合格のエビデンスとする)。

絶縁抵抗検査

絶縁抵抗検査は、漏電していないかのテストです。

小規模の場合は、ハンディータイプでも対応できますが、量産工程では正直あまりどこもしてないのでは?と思います(エビデンスも残せない、電池の内部抵抗など問題あり)。

基本的な構成としては、「絶縁抵抗計(500V/1000V等)→ 製品→ 漏れ電流測定」って感じに絶縁抵抗計で完結し計測・判定されます。

絶縁抵抗計で「抵抗値(MΩ)」を測ります。

耐電圧検査

耐電圧検査は、高電圧に耐えられるかのテストです。

基本的な構成としては、「絶耐電圧試験器(AC1500Vなど) → 製品 → 絶縁破壊の有無」で絶耐電圧試験器で完結し、計測・判定されます。

具体的には、絶縁破壊(ぜつえんはかい)しないかというポイントです。

絶縁破壊というのは、高電圧をかけると火花が散るやつです。

火花が散っているということは「漏電する」ということなんですよね。

内部の絶縁膜や絶縁機構が壊れて漏電しないかということです。

設備としては、耐圧対応の導通治具+耐電圧試験器で高電圧をワークに印加します。

少し絶縁抵抗と耐電圧が分かり難いので比較しますね。

絶縁抵抗耐電圧
目的漏電していないか絶縁が破壊しないか
電圧250~1000V
(測定したい抵抗値によって選定)
1.5KV〜
(大気圧で絶縁破壊が3kV/mmが目安)
測定抵抗値(MΩ)漏れ電流 or 破壊の有無

電流値・電圧値検査

最後に、電流値・電圧値です。

小規模の場合は、ハンディータイプでも対応できますが、量産工程では正直あまりどこもしてないのでは?と思います(エビデンスも残せない、電池の内部抵抗など問題あり)。

導通は、通電してればOK

電流値・電圧値は、通電してて、かつ、電圧、電流値に範囲指定があります。

これは、導通とイメージ似てますよね。

電流計とか電圧計とかでも検査できますし、導通同様、導通治具等を利用することもあります。

これらを量産版でまとめると下のようになります。

電流発生ワークとの接点測定(モニタ)
導通・電源ユニット・導通治具・測定器
絶縁抵抗・絶縁抵抗計
(電源機構)
・導通治具
・プローブ
・絶縁抵抗計
(測定機構)
耐電圧・耐電圧試験器
(高電圧発生機構)
・導通治具・耐電圧試験器
(測定機構)
電流値・電圧値・電源ユニット・導通治具
・プローブ
・電圧計
・電流計

機能検査

プロセス役割具体的な検査項目
機能検査製品が仕様通りに動作
するか保証する最終工程
・動作確認(ON/OFF)
・回転・駆動確認
・荷重・押し込み力
・ストローク量
・応答速度
・音・振動 etc…

機能検査の役割は、製品が仕様通りに動作するか保証する最終工程すること

分類InputProcessOutput
機能検査製品機能検査品質保証済の製品

機能検査は、実際商品を使ってみて用途を満たせているか?というポイントでされます。

なので、他の検査項目とは違う、ある意味「総合検査項目」って感じです。

ここは、各製品で全然ちがうので、ちょっと知見化しにくい部分です。

まとめても薄くなってしまいます。

また無理に深く書こうとすると、業界特有のものになってしまうので、総合検査項目なんだなぁって覚えておいて下さい。

この検査項目は、ある意味でこの製品がIPO(Input,Process,Output)で何が、Outputかを定義するようなもんです。

具体化できなくて申し訳ないですが、こんなところでとどめさせてください。

まとめ

今回は初級編の第44回で生産準備の観点でMethod(方法)に関して説明しました。

生産ラインの検査工程の全体像がしっかりと掴めたのではないかと思います。

少し専門的な知識ですが、概要だけでも抑えておいてくださいね。

今後も生産技術関連の知識を発信していきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。

げーちゃんでした。

  • 検査工程の詳細(リーク検査、電気検査、機能検査)

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