どーも、げーちゃんです。今日のテーマは、「コストの指標」です。前々回の【初級編】第7回 ど定番の目標値QCDにて評価指標を説明しましたが、今回は、材料に特化して評価指標の説明をしたいと思います。
コスト指標を原単位、能力、効率に分けてみよう!
まず、コスト指標を原単位、能力、効率に分けて、下表に整理しました。ここでの原単位とは、製品一つ作るのに必要な4Mと理解ください。
また能力に関しては、「1個作るのに必要な時間」という側面、「単位時間当たりにできる量」という側面(表記の仕方)で表現できるので、下表では両方で記載しました。
最後に、効率に関してでは、能力に対してどれだけ効率的に生産できたかという視点でまとめています。材料に関しては、少し異なる評価の仕方となりますが、それらも含めて、説明していきたいと思います。

Material(材料)のコスト評価指標
まず、1つ目のコスト指標は、材料費に関してです。原単位の項目ということで、製品1つ作るために材料費(直接材料費、間接材料費)がどれくらいかかるかということをコスト指標として管理します。材料費の標準原価と言えます。材料費の削減をするために、材料の使用量を減らしたり、安価な材料への置き換え等が行われます。
在庫の目線
第一に、材料費(標準原価自体)が同じ場合で、さらに材料の効率を図るためには、PSI管理という考え方をします。この内容は、エンジニアリングチェーンの話というよりは、サプライチェーンの話なので、参考レベルに聞いていただければと思います(生産管理などが主戦の領域です)。では話を戻し、PSI管理についてお話します。厳密にいえば、工場視点と製造業視点のPSI管理は異なりますので簡単にまとめます。
まず工場視点では、材料を仕入れて生産で使用します。多く買いすぎると材料在庫が多くなり、キャッシュフローが悪くなります(材料が現金化できない)。
| 分類 | 対象 | P | S | I |
| 工場 | 材料 | 仕入れ(Purchase) | 生産(Seisan) | 材料在庫(Inventory) |
| 製造業 | 製品 | 生産(Production) | 販売(Sales) | 製品在庫(Inventory) |
| 小売業 | 製品 | 仕入れ(Purchase) | 販売(Sales) | 製品在庫(Inventory) |
これらを発生させないためには、材料在庫は下式(*1)の関係になりますので、総材料在庫数は下式(*2)となります。
材料在庫 = 仕入れした材料 ー 生産で使用した材料 ・・・*1
総材料在庫数 = 総仕入れ数 ー 総出庫数 ・・・*2
因みに、製造業での製品在庫に置き換えて考えると、下式となります。
製品在庫 = 生産した製品 ー 販売した製品 ・・・*3
総材製品在庫 = 総生産数 ー 総販売数量 ・・・*4
小売り業なら、下式です。
製品在庫 = 仕入れた製品 ー 販売した製品 ・・・*3
総材製品在庫 = 総仕入れ製品数 ー 総販売数量 ・・・*4
次に、効率化の目線です。在庫の効率化は、在庫回転率という考え方をします。例えば、下記のような式となります。
在庫回転率 = 出庫した総材料数 ÷ 平均の材料の在庫数
(数量の目線:発生頻度を気にする場合)
= 出庫した総材料金額 ÷ 平均の材料の在庫金額
(金額の目線:影響を気にする場合)
意味合いとしては、分子の出庫の期間を1か月にした場合で、在庫回転数の意味合いは、下記のような感じになります。つまり、在庫回転率が高いほど在庫が少ない、逆に在庫回転率が低いほど在庫が多いといえます。
在庫回転率 = 100% → 1か月で在庫を使い切るペース
在庫回転率 = 200% → 半月で在庫を使い切るペース
在庫回転率 = 50% → 2か月で在庫を使い切るペース
在庫が一回転する期間は、下式のように計算できます。
在庫回転日数 = 出庫の期間 ÷ 在庫回転率
廃棄の目線
こちらの廃棄の考え方は、在庫よりもシンプルです。倉庫~客先まで下表のような理由で、材料、半製品、製品が廃却されます。それらの廃却ロスを減らすということが、コスト指標となります。
| 工程 | ①倉庫 (材料) | ②製造・出荷 (材料、半製品、製品) | ③物流 (製品) | ④客先 (製品) |
| 廃棄理由 | ・不動在庫 ・受入不良 | ・材料破損 ・期限切れ ・材料切替え ・リワーク ・試し打ち等 ・検査不良 | ・製品破損 ・不動在庫 ・設計変更 | ・製品不良 |
初めに、①の倉庫では、不動在庫(長期間使われていない在庫)の廃却や受入れ不良が発覚し廃却するパターン等があります。これらはサプライチェーンの問題で、調達や生産管理部門が管理することとなります。
次に、②の製造・出荷では、製造にかかわる様々な廃棄が発生しますが、基本的に製造部門にて対応が実施されます。少し特殊なのは、材料の切り替えで、設計部門、生産管理部門なども交え、ランニングチェンジ(玉突きでの設計仕様切替え)でもよいか等、議論しつつ進めることになります。
第三に、③の物流では、物流の最中で発生した製品破損や物流拠点内で不動在庫となった製品の廃却などがあります。不動在庫が有効期限が切れたり、設計変更により製品の切替えが発生した場合などに廃棄が発生します。主に生産管理部門が管理することとなり、これらもサプライチェーンの一環です。
最後に、④の客先へ製品を流通した後に不具合が発生した場合です。基本的に全部回収&品質調査の後に手直しできない場合、廃棄されます。これらは、品質保証部等が管轄で、コスト目線のロスよりも、圧倒的に品質面での問題が大きいので、現場としては金額云々はあまり言っていません。
次に、効率化の目線です。廃棄の効率は、廃棄率を持って評価します。単に各工程でどんだけ廃棄したかの割合です。
廃棄率 = 廃棄した材料・製品の数 ÷ 投入した材料・製品の数
(数量の目線:発生頻度を気にする場合)
= 廃棄した材料・製品の金額 ÷ 投入した材料・製品の金額
(金額の目線:影響を気にする場合)
まとめ
- コスト指標は、原単位、能力、効率に分けて、評価指標を理解しよう!
- 材料は、標準原価(原単位)、在庫目線、廃棄目線で、整理しよう!
今回は初級編の第10回で「コストの指標」に関して、材料の観点でコストの評価指標について説明しました。エンジニアリングチェーンとサプライチェーンの両面から原価低減のアプローチが必要な少し複雑だと思いますが、製造業では材料費に占める原価の割合はどこも大きいので、参考にして頂けると幸いです。今後も引き続き、生産技術関連の知識を発信していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
げーちゃんでした。

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